投稿者: シン
鳴く
詩は人の鳴き声なのだと思う
恨み
なぜわたしはかれらのようでないのか なぜわたしはこのようにあるのか 答えよ 答えよ なぜ君は果実であることを拒むのか なぜ君はうらうらと微笑み河口へ向かうのか なぜ誰も、とりわけ私や彼らはそれを止められないのか なぜどう…
雨粒
きれいな目をした小父さんが 一人、山小屋へつづく階段を登ってくる 軽く息を上げほほ笑みを薄く浮かべ 小父さんは階段を登ってくる。三月あたまのよく晴れた昼時で、小鳥たちが機嫌よく鳴きかわしていた せんせい。山小屋の主をたず…
距離
星が見えるのは光が届いているからだ 遠さについて考える 在り方が違うのを距離として見たがっているな 君のところからわたしのところへは何も届かない 本当に何も。それは距離ではないね いつかわたしもそこへ行くのだけれど